顎関節症治療について

顎関節症は、顎の動きを司る関節や筋肉に生じる痛みや機能障害を伴う疾患です。
日常生活における食事や会話などの基本的な動作に支障をきたすことがあり、患者様のQOL(生活の質)に大きく影響します。当院では、患者様の症状や生活環境を総合的に考慮し、個々に最適な治療計画を提案しています。最新の医療機器を駆使した診断から、患者様にとって最も適した治療方法を選択し、痛みの軽減と機能回復を目指します。

顎関節症の主な原因

噛み合わせの異常

不正咬合や歯の欠損、歯列矯正後のリバウンドなどが原因で、顎関節に不自然な負荷がかかります。これにより、顎関節や周囲の筋肉に痛みや機能障害が生じることがあります。当院では、噛み合わせの評価を行い、必要に応じて歯科矯正治療や義歯の場合はその調整を提案します。

ストレス

精神的なストレスは、顎関節症の大きな要因の一つです。ストレスが原因で筋肉が緊張し、顎関節に余計な力が加わることで症状が悪化することがあります。

過度な顎の使い過ぎ

長時間の噛む行為や歯ぎしり、くいしばりなどが顎関節に過剰な負荷をかけることがあります。これらの習慣は、顎関節症の発症や悪化につながることが知られています。当院では、患者様の生活習慣を詳細に把握し、顎の使い過ぎを防ぐための指導や治療を行います。

当院の顎関節症治療方法

物理療法

痛みの緩和と筋肉のリラクゼーションを目的とした温熱療法や冷却療法を行います。これにより、顎関節周囲の筋肉の緊張を和らげ、症状の軽減を図ります。

薬物療法

炎症や痛みを抑えるための非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や筋弛緩剤を処方します。これにより、急性期の痛みの管理や慢性的な症状のコントロールを目指します。

行動療法

患者様の日常生活における顎の使い方を見直し、症状の悪化を防ぐための指導を行います。食事の際の咀嚼方法や、無意識の歯ぎしり・くいしばりの防止策などを提案します。

オクルーザルスプリント

顎関節の負担を軽減するためのスプリントを装着します。これにより、顎関節の安定化を図り、痛みの軽減や関節の保護を目的とします。

CTスキャン

顎関節の状態を詳細に把握するためのCTスキャンを実施します。これにより、顎関節の構造的な問題や病変を正確に診断し、治療計画の精度を高めます。

顎関節症治療の流れ

1 初診と診断

患者様が来院された際には、まず詳細な問診を行い、顎関節症の症状や生活習慣、ストレスの有無などを把握します。その後、顎の動きを確認し、必要に応じてレントゲンやCTスキャンを用いて顎関節の状態を詳しく調べます。これにより、顎関節症の原因となっている問題点を正確に特定します。

2 治療計画の策定

診断結果をもとに、患者様の症状や生活環境に合わせた個別の治療計画を立てます。この段階で、治療の目的、期間、予想される効果について患者様と共有し、同意を得た上で治療を開始します。

3 治療の実施

治療計画に基づき、物理療法、薬物療法、行動療法などの治療を組み合わせて実施します。痛みの緩和や顎関節の機能改善を目指し、患者様のQOL(生活の質)の向上を図ります。

4 経過観察と調整

治療を開始した後は、定期的に経過観察を行い、治療の効果を評価します。症状の変化に応じて治療計画を柔軟に調整し、患者様の回復をサポートします。

顎の痛みの改善を当院で

当院では、顎関節症に苦しむ患者様の痛みや不安に寄り添い、最新の医療機器と多面的な治療アプローチを用いて、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。正確な診断と患者様のライフスタイルへの配慮を基に、最小限の侵襲で効果的な治療を行い、快適な日常生活への回復をサポートします。継続的なフォローアップにより、治療の効果を評価し、患者様の状態に応じた最適な治療計画を提案し続けます。