インプラントは虫歯になる?虫歯以外で注意すべき口腔トラブルとは?

歯のコラム 2024年03月13日(水)

こんにちは。千葉県野田市にある歯医者「R歯科・矯正歯科クリニック」です。

「インプラント治療を検討中だけど、インプラントは虫歯になるの?」と疑問に思っている方もいるでしょう。審美性・機能性に優れているため検討する方が多いインプラント治療ですが、虫歯のリスクはあるのでしょうか。

本記事では、インプラントは虫歯になるのか、虫歯以外にも注意すべき口腔トラブルについて解説します。インプラント治療をしたいけれど虫歯のリスクが気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。

インプラントとは?

インプラントは、失った歯を補う治療法のひとつです。歯を失った部分の顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着します。

インプラントは独立しているため、入れ歯やブリッジのように隣接する歯を削って支えとして利用することがありません。インプラント治療を選択すれば、周囲の歯の健康も守ることができます。

また、被せ物にはセラミックを使用するケースが多いため、非常に審美性が高いです。ご自身の歯と見分けがつかない仕上がりにすることが可能です。

ただし、インプラントは保険適用外の治療になるため、費用は高額になります。費用の負担は大きいですが、長期的に考えるとメリットが大きいため選択する方が増加しています。

インプラントは虫歯になる?

結論から述べると、インプラントが虫歯になることはありません。虫歯は、虫歯菌の出す酸の影響で、歯のエナメル質や象牙質などの組織が溶けることで起こります。

インプラントは、チタンやチタン合金で作られた人工歯根と、セラミックや金属で作られた人工歯、人工歯根と人工歯を繋ぐアバットメントで成り立っています。これらは、虫歯菌の出す酸の影響を受けないため、天然歯のように虫歯になることはないのです。

虫歯以外で注意すべきインプラント治療後の口腔トラブル

上述したとおりインプラントが虫歯になることはありせん。

しかし、虫歯以外に注意するトラブルがあります。インプラント治療後に注意すべき口腔内のトラブルは、以下の通りです。

インプラント周囲炎

インプラント周囲炎は、インプラントを支える歯茎や顎の骨が歯周病菌に感染して炎症を起こす疾患です。インプラントを失う最も大きな原因であるといわれています。

インプラント周囲炎は進行が早く、完治が難しい疾患です。インプラント周囲炎にかからないように予防することはもちろん、罹患した場合は早期に発見して治療することが重要です。

インプラント周囲炎の原因は、歯に残るプラークです。虫歯にならないからとブラッシングを怠っていると、インプラント周囲炎に罹患するリスクが高くなるため注意しましょう。

インプラントの脱落・破折

インプラントは、人工歯根と顎の骨が結合することで噛む力を回復させる治療法です。人工歯根と顎の骨の結合が不十分な場合、インプラントが脱落してしまいます。

人工歯根と顎の骨の結合には時間がかかります。しっかりと十分な期間を設けて次の処置に移行しないと、インプラントが取れる・破損するリスクが高くなるでしょう。

また、治療後もインプラントに強い衝撃が加わると、インプラントごと脱落したり人工歯が破損したりする場合があります。噛み合わせは常に変化するため、インプラントに負担がかかっていないか定期的に確認することが大切です。

歯ぎしり・食いしばりの癖がある方は、歯に負担がかかるため脱落や破損のリスクも高くなります。

他の歯が虫歯になる

インプラントは虫歯になりませんが、残っている歯は虫歯になるリスクがあります。ご自身の歯が1本でも残っている場合は、虫歯にならないように注意しましょう。

虫歯の原因は歯の表面に残るプラークです。インプラントとご自身の歯との間などはプラークが残りやすい部分なので、フロスや歯間ブラシを活用してプラークを除去しましょう。

残っている歯を失わないためにも、今まで以上にしっかりとケアすることが大切です。

顎の骨のトラブル

顎の骨は、加齢やインプラント周囲炎などさまざまな理由から痩せる場合があります。顎の骨が痩せるとインプラントの支えがなくなるため、インプラントが動揺し不安定な状態になるでしょう。

顎の骨が痩せる原因としては、柔らかいものばかり食べており、顎の骨に刺激が伝わらないことも挙げられます。インプラントに強い刺激を与えるのは良くないですが、適度に顎の骨に刺激が加わる食生活を心がけることが大切です。

インプラント治療後の口腔ケア方法

インプラントの寿命は10年前後といわれています。

ただし、ケア次第では寿命より早く失うリスクもあるでしょう。インプラントの寿命はケア方法に大きく左右されます。しっかりとケアしていけば、10年以上使い続けることが可能です。以下に、インプラントの寿命を長持ちさせる口腔ケアの方法を紹介します。

セルフケア

インプラントの寿命を長く保つためには、毎日のセルフケアが重要です。口腔内にプラークが多く付着して不衛生な状態が続くと、インプラント周囲炎などのトラブルが起こるリスクが高くなるでしょう。

また、不衛生な環境は他の歯にも悪影響をおよぼします。虫歯や歯周病などの疾患に罹患するリスクも高くなるため注意が必要です。

トラブルを防ぐためには、セルフケアをしっかりおこなって口内を清潔に保つ必要があります。歯ブラシで歯の表面のプラークを落とすことはもちろん、フロスや歯間ブラシを使用して歯と歯の間のプラークも落としましょう。

歯ブラシだけでは、口腔内の6割の汚れしか除去できないといわれています。歯並びが悪く歯ブラシが届かない部分や歯と歯の間には、フロスなどの補助清掃用具を上手く活用してアプローチする必要があります。

ご自身の口腔内に合わせた適切なブラッシングをおこなって、清潔な状態を保ちましょう。

定期メンテナンス

インプラント治療が完了したら、歯科医院の定期メンテナンスを受診して状態を確認してもらいましょう。セルフケアだけでは、汚れを落とせていない部分がある可能性があります。

定期メンテナンスでは、インプラントに異常がないか確認し、ブラッシング指導やブラッシングでは除去できない歯石や着色汚れの除去を行います。ご自身では気が付かない小さな異常も、定期メンテナンスを受診していれば発見してもらえるでしょう。

なお、インプラント保証の条件に定期メンテナンスに通っていることをあげている歯科医院もあります。定期メンテナンスは3か月〜半年に一度の受診を勧める場合が多いので、しっかりと通ってください。

生活習慣の改善

インプラントの寿命を長く保つためには、セルフケア・定期メンテナンスで口腔内を清潔に保つことが大切ですが、生活習慣も大きくかかわります。

喫煙習慣のある方は、歯茎や口腔内の血流が阻害されるため抵抗力が弱くなります。抵抗力が弱まると傷口の治りも遅くなるため、インプラントオペ後の細菌感染やインプラント周囲炎に罹患するリスクが高くなります。

喫煙習慣のある方は、無理のない程度にタバコの本数を減らす、可能であれば禁煙するなど試みると良いでしょう。

また、ストレスは免疫力の低下につながります。規則正しい生活を心がけて、肉体的・精神的ストレスをためないことも大切です。

まとめ

インプラントが虫歯になることはありません。

ただし、インプラントの周辺組織が歯周病菌に感染するインプラント周囲炎にかかる可能性はあります。インプラント周囲炎はインプラントを失う大きな原因のひとつです。

日頃からしっかりとセルフケアを行い、歯科医院の定期メンテナンスで状態をチェックしてもらって予防しましょう。歯科医院の定期メンテナンスに通っていれば、ご自身で気が付かない些細な変化にも対応してもらえます。

インプラントは虫歯にはなりませんが、寿命を長く保つためにはセルフケアや定期メンテナンスなどでしっかりとケアする必要があります。しっかりとケアしていけば15年、20年と使い続けることができるでしょう。

インプラント治療を検討されている方は、千葉県野田市にある歯医者「R歯科・矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。