歯周病とは?症状や引き起こす可能性がある全身疾患も解説!

歯のコラム 2024年08月14日(水)

こんにちは。千葉県野田市にある歯医者「R歯科・矯正歯科クリニック」です。

歯周病になった人

歯周病とは、歯と歯茎の間に蓄積する細菌が原因によって引き起こされる口腔疾患です。歯周病は口腔内の健康に影響を与えるだけでなく、心血管疾患や糖尿病などの全身疾患との関連性も指摘されています。

初期にはほとんど症状がなく進行しやすいため、早期発見と適切なケアが重要です。

この記事では、歯周病の症状や、歯周病の進行が引き起こす可能性のある全身疾患について詳しく解説します。

歯周病とは?

歯周病の説明

歯周病とは、歯と歯茎の間に歯垢がたまることで引き起こされる歯肉の炎症です。初期段階では歯肉炎と呼ばれ、歯茎の腫れや出血が見られます。この段階ではまだ痛みが少ないため、症状に気づかないことが多いです。

しかし、放置すると炎症が進行し、歯槽骨が溶け出す歯周炎に移行します。

歯周病の症状

歯周病で血が出た人

進行度合いによってさまざまな症状が現れるため、早期発見と適切な対応が重要です。

軽度の歯周病の症状

歯周病の初期段階である歯肉炎は、歯茎の腫れや赤み、歯磨き時の出血が主な症状です。この段階では痛みを感じにくいため、症状に気づかない人も少なくありません。

しかし、早期に対処することで病気の進行を防ぐことができます。

中度の歯周病の症状

歯周病が進行すると、歯肉が下がって歯が長く見えるようになり、歯と歯の間に隙間ができることがあります。歯茎から膿が出たり、口臭が強くなったりすることもあるでしょう。

歯が揺れ始めるため、食事の際に違和感や噛みにくさを感じることがあります。

重度の歯周病の症状

さらに進行した歯周病は歯周炎と呼ばれ、歯を支える骨が溶け始め歯がぐらついてきます。この状態になると、歯が自然に抜け落ちてしまうリスクが高まります。

また、激しい痛みや歯茎の腫れを伴うことも多く、日常生活に支障をきたす可能性があります。

歯周病の原因

ストレスを抱える人

歯周病は、多くの要因が複雑に絡み合って進行する病気です。以下に具体的な要因について解説します。

歯垢の蓄積

歯周病の直接的な原因は、歯垢に含まれる細菌です。歯垢は歯の表面に付着する粘着性の膜であり、適切に除去されないと歯石に変化します。歯石は硬く、通常のブラッシングでは取り除けません。

歯石が歯と歯茎の境目にたまると、細菌が繁殖し、歯周病のリスクが高まります。

不十分な口腔ケア

口腔内の清潔を維持するためのケアが不十分だと、歯垢がたまり歯周病を引き起こしやすくなります。特に、ブラッシングが適切に行われていないと、歯と歯の間や歯茎の境目に汚れが残り、細菌の温床となります。

喫煙

喫煙は歯周病の大きなリスクファクターです。タバコに含まれる有害物質は歯茎の血流を悪化させ、免疫機能を低下させます。口腔内の細菌に対する防御力が弱まり、歯周組織が破壊されやすくなるのです。

喫煙者は非喫煙者と比べて歯周病のリスクが高く、治療の効果も得にくいとされています。

遺伝的要因

家族に歯周病の既往がある場合、遺伝的な要因が関与している可能性があります。遺伝的に歯周病になりやすい体質を持つ人は、特に口腔ケアに注意を払いましょう。

不規則な生活習慣

不規則な食生活や栄養バランスの偏りは、歯周病のリスクを高めます。特に、糖分の多い食事は歯垢の形成を助長し、口腔内の細菌が増加する原因になります。

また、ストレスも歯周病を悪化させる要因の一つです。ストレスによって免疫力が低下し、口腔内の感染に対する抵抗力が弱まるためです。

全身の健康状態

糖尿病や心血管疾患などの全身疾患は、歯周病のリスクを高めることがあります。糖尿病の方は血糖値の管理が難しいため、歯周病が重症化しやすく治療が難しいとされています。

また、免疫系の異常があると、口腔内の感染に対する防御が弱くなるため歯周病が進行しやすくなります。

歯周病が引き起こす可能性がある全身疾患

歯周病が原因で病気になったことを説明する医師

歯周病は口腔内の問題にとどまらず、全身の健康に影響を及ぼす可能性があります。近年の研究では、歯周病とさまざまな全身疾患との関連性が示されています。

以下に、歯周病が引き起こす可能性のある主な全身疾患をご紹介します。

心血管疾患

歯周病は、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中といった心血管疾患との関連が指摘されています。歯周病によって血液中の炎症性物質が増加し、動脈の内壁にプラークが蓄積しやすくなるためです。血管が狭まり、血流が悪化して心血管疾患のリスクが高まります。

糖尿病

糖尿病と歯周病は双方向の関係にあります。糖尿病は歯周病のリスクを高め、歯周病があると血糖コントロールが難しくなることが知られています。歯周病による慢性的な炎症がインスリンの働きを妨げ、血糖値が上昇しやすくなるためです。

歯周病を治療することで糖尿病の症状が改善される場合もあります。

認知症

最近の研究では、歯周病とアルツハイマー型認知症のリスクの増加に関連があるのではと考えられています。歯周病菌が脳に到達すると、脳内で炎症を引き起こし認知機能の低下を促す可能性があるのです。

歯周病を予防することが、将来的な認知症のリスク軽減につながる可能性があります。

誤嚥性肺炎

高齢者に多い誤嚥性肺炎は、口腔内の細菌が誤って気道に入ることで発症します。歯周病が進行すると、口腔内の細菌数が増加し誤嚥性肺炎のリスクが高まります。

口腔ケアの徹底が、誤嚥性肺炎の予防に重要です。

低出生体重児・早産

妊娠中の女性が歯周病を患っている場合、低出生体重児や早産のリスクが高まることが報告されています。こ歯周病による炎症性物質が胎盤に影響を与え、子宮収縮を促進するためと考えられています。

そのため、妊娠中の口腔ケアは母子の健康にとって非常に重要なのです。

歯周病を予防する方法

歯周病を予防するアイテム

歯周病は日常のケアによって予防可能な病気です。以下の方法を実践することで、歯周病の発症リスクを大幅に減らすことができます。

歯磨きは1日2回以上する

歯周病予防の基本は、毎日の正しいブラッシングです。歯垢は食事のたびに形成されるため、1日2回以上のブラッシングが推奨されます。

歯ブラシは柔らかめのものを選び、歯と歯茎の境目に軽い力で当てて磨くことが大切です。磨く際には、毛先を45度の角度で歯茎に当て、優しく小刻みに動かして歯垢を除去しましょう。

また、1本ずつ丁寧に磨くことを心がけ、磨き残しを防ぎましょう。

デンタルフロスと歯間ブラシを使用する

歯ブラシだけでは、歯と歯の間に詰まった歯垢を完全に取り除くことはできません。デンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯間の汚れをしっかりと清掃することが必要です。

フロスは細かい歯間の汚れを除去する際に使用し、歯間ブラシは歯と歯の間が広い場合に効果的です。これらを毎日の習慣に取り入れることで、歯周病のリスクを大幅に減少させられます。

定期的に歯科検診を受ける

歯周病の予防には、定期的に歯科医院を訪れて診察とクリーニングを受けることが重要です。プロフェッショナルクリーニングでは、家庭でのケアでは取りきれない歯石やバイオフィルムを除去し、歯肉の健康を維持します。

通常、3~6か月に一度の頻度で歯科検診を受けることが推奨されています。

生活習慣を改善する

歯周病の予防には、健康的な生活習慣も大切です。バランスのとれた食事を心がけ、ビタミンやミネラルをしっかりと摂取すれば、歯茎の健康を保つことができます。特に、ビタミンCは歯茎を強化するため、積極的に取り入れましょう。

また、ストレスは免疫力を低下させ、歯周病を悪化させる可能性があります。適度な運動や趣味などで、ストレスを管理することも重要です。

禁煙

タバコに含まれる有害物質が歯茎の血流を悪化させて免疫反応を弱めることで、歯周組織の破壊を促進します。禁煙することは、歯周病の予防に加えて、全身の健康を改善するために非常に重要です。

洗口液を活用する

市販されている洗口液を使うことも、歯周病予防に有効です。抗菌作用のある洗口液を使用することで、口腔内の細菌を減少させ、歯垢の形成を抑えられるようになるでしょう。

ただし、洗口液はあくまで補助的な役割であり、重要なのはブラッシングやフロスの使用です。

まとめ

歯周病の予防をする女性

歯周病とは、歯垢が歯と歯茎の間に蓄積し、歯肉炎から歯周炎へと進行することで歯を支える骨を破壊する病気です。初期症状には歯茎の腫れや出血があり、進行すると歯のぐらつきや口臭が生じ、最終的には歯の脱落を引き起こします。

また、歯周病は糖尿病や心血管疾患、認知症などの全身疾患との関連性も指摘されています。歯周病予防は、全身の健康維持にもつながると言えるでしょう。

歯周病の予防としては、毎日の正しいブラッシングとデンタルフロスの使用、定期的な歯科検診が有効です。さらに、禁煙や栄養バランスの取れた食事、ストレス管理も重要です。

日常的なケアと専門家の指導を受け、歯周病のリスクを軽減しましょう。

歯周病の治療を検討されている方は、千葉県野田市にある歯医者「R歯科・矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

当院は、インプラント治療やマウスピース矯正(インビザライン)、小児歯科、ホワイトニングなど、さまざまな治療に力を入れています。ホームページはこちらWeb診療予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。