叢生はマウスピース矯正で治せる?ガタガタの歯並びをキレイにする方法

歯のコラム 2025年03月12日(水)

こんにちは。千葉県野田市にある歯医者「R歯科・矯正歯科クリニック」です。

叢生の矯正に使用するマウスピース

叢生(そうせい)とは、歯がデコボコに生えている状態のことです。見た目だけではなく、噛み合わせや歯の健康にも影響を及ぼすため、矯正すべきと考えられています。

近年注目を集めているマウスピース矯正で叢生を治したいとお考えの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、叢生とは何か、マウスピース矯正で治療できるのかどうかを解説し、マウスピース矯正以外の治療方法もご紹介します。叢生でお悩みの方や、マウスピース矯正を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

叢生とは

叢生の子どもの口元

叢生とは、歯が重なり合って生え、歯並びがガタガタになっている状態を指します。見た目が悪いだけではなく、歯磨きがしにくいため虫歯や歯周病の原因にもなります。犬歯が歯列から飛び出す八重歯も、叢生の一種です。

このような歯並びの乱れは、主に顎のスペース不足によって引き起こされます。顎が小さい場合、歯が生え並ぶための十分なスペースが確保できず、歯が前後にずれて生えるのです。

叢生は成長過程で気づくことが多く、特に子どもの歯の生え変わり時期に目立ちやすいです。放置すると歯並びがさらに悪化するため、早めに矯正治療を検討することが大切です。

叢生の原因

叢生について説明する歯科衛生士

叢生が起こる主な原因としては、顎の大きさや歯の大きさ、遺伝的要因、乳歯の早期脱落などが挙げられます。それぞれの要因について詳しく見ていきましょう。

顎のサイズが小さい

歯がきれいに並ぶためには、十分なスペースが必要です。顎が小さいと歯が生えるスペースが足りず、結果として歯が重なり合って生えます。

特に、現代人は食生活の変化によって顎が小さくなりやすく、叢生が増加しているといわれています。

歯が大きい

歯が通常よりも大きい場合、顎のサイズに対してスペースが不足し、歯並びが乱れる原因となります。たとえ顎の大きさが標準的でも、歯がそれ以上に大きければ、整った歯列を形成しにくくなります。

乳歯の早期脱落

乳歯は、永久歯が適切な位置に生えてくるための重要なガイドの役割を果たしています。むし歯やケガなどで乳歯が早く抜けると、そのスペースに隣の歯が移動して永久歯が生えるためのスペースが確保できなくなることがあります。

その結果、永久歯が適切な位置に生えず、叢生を引き起こすのです。

遺伝的要因

歯並びや顎の大きさは、遺伝の影響を受けやすいといわれています。歯並びそのものが遺伝するわけではありませんが、両親や祖父母が顎と歯のサイズのバランスが悪く叢生だった場合、子どもも同じように歯並びが乱れる可能性が高いです。

叢生を放置するリスク

叢生を放置するリスクのイメージ

叢生を放置すると、口腔内の健康だけでなく、全身の健康や日常生活にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。ここでは、叢生を放置する主なリスクについて解説します。

虫歯や歯周病のリスクが高まる

歯と歯が重なり合っている部分が多いため、磨き残しが発生しやすいです。歯ブラシの毛先が届きにくい場所では、食べかすや歯垢(プラーク)が蓄積しやすく、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。

また、歯間ブラシやデンタルフロスも入りにくいため、通常の歯磨きだけでは十分にケアすることが難しいです。特に、下の前歯の叢生は上の歯よりも目立ちにくいため、気づかないうちに歯石がつき、歯周病が進行することもあります。

さらに、磨き残しが多いと口臭の原因にもなり、日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。

咀嚼がしにくく消化器官に負担をかける

歯並びが悪いと、食べ物をしっかり噛み砕くことが難しくなります。特に、硬い食べ物や繊維質の多い食品は、十分に噛めずに飲み込むことが多くなります。その結果、胃や腸に負担がかかり、消化不良を引き起こすことがあります。

また、よく噛めないことで満腹感を得にくく、食べ過ぎにつながるケースもあります。これが習慣化すると、肥満や生活習慣病のリスクが高まる可能性もあるでしょう。

顎関節症や姿勢の悪化を引き起こす

叢生の状態では噛み合わせが悪くなるため、顎の関節に余計な負担がかかります。その結果、顎関節症を発症する可能性が高くなります。顎関節症になると、口を開け閉めする際に痛みが出たり、顎がカクカクと音を立てたりすることがあります。

噛み合わせのズレは、顎だけでなく首や肩にも影響します。顎に無理な力が加わると、周囲の筋肉がこわばったり血流が悪くなったりして、肩こりや頭痛を引き起こすこともあります。

また、長期間この状態が続くと姿勢が悪化し、全身のバランスが崩れることも考えられます。

叢生はマウスピース矯正で治せる?

叢生はマウスピース矯正で治せるか疑問をもつイメージ

マウスピース矯正は、歯並びの乱れが軽度で、奥歯の位置に大きなずれがない場合に用いられます。叢生の場合でも、症例によっては治療可能です。

マウスピース矯正では透明な装置を使用するため、矯正していることが目立ちにくいのがメリットです。食事の際には取り外しが可能なため、ワイヤー矯正と比べて日常生活への影響も少なく、衛生管理もしやすいです。

ただし、歯のガタつきが大きい場合や、抜歯が必要なケースでは、マウスピース矯正だけでは十分な改善が難しい可能性があります。特に、叢生が重度で歯を大きく動かさなければならない場合、ワイヤー矯正などの矯正が必要になることが多いです。

歯並びの状態によっては、マウスピース矯正を始める前に補助装置を使用することもあります。

マウスピース矯正で叢生を治すメリット・デメリット

マウスピース矯正で叢生を治すメリット・デメリットについて考える女性

ここでは、マウスピース矯正で叢生を治すメリットやデメリットについて解説していきます。

メリット

マウスピース矯正で叢生を治すメリットは、以下のとおりです。

器具が透明で目立ちにくい

マウスピース矯正で使用するマウスピースは透明な素材で作られており、装着していてもほとんど目立ちません。営業や接客業など、人と接する機会が多い方でも、矯正中であることを気にせず過ごせる点が大きなメリットです。

取り外しが可能で歯磨きがしやすい

ワイヤー矯正とは異なり、マウスピース矯正では食事や歯磨きの際に矯正装置を取り外すことが可能です。装置に食べカスが詰まる心配がなく、普段通りのブラッシングが可能なため、虫歯や歯周病のリスクを抑えられます。

痛みが少ない

ワイヤー矯正では強い力をかけて歯を動かしますが、マウスピース矯正は歯を少しずつ移動させるため、痛みを感じにくいです。新しいマウスピースに交換する際に違和感を覚えることはありますが、日常生活に支障をきたすような強い痛みはほとんどありません。

治療の流れや期間が把握しやすい

マウスピース矯正では、治療開始前に3Dシミュレーションを用いて、矯正完了までの歯並びの変化をシミュレーションできます。計画的に矯正を進められるのもメリットでしょう。

食事の制限が少ない

ワイヤー矯正では、装置に負担をかける可能性がある硬い食べ物や粘着性のある食べ物を避ける必要があります。マウスピース矯正では食事の際に装置を外すため、基本的に好きなものを食べられます。

デメリット

続いては、マウスピース矯正で叢生を治すデメリットについて解説します。

装着時間の管理が必要

マウスピース矯正では1日20時間以上のマウスピースの装着が推奨されており、自己管理が求められます。装着時間が短いと治療計画通りに歯が動かず、治療期間が延びる可能性があります。

重度の叢生には対応が難しい

軽度から中等度の叢生の治療は可能なケースが多いですが、大幅な歯の移動が必要な場合や骨格の問題が関与している場合では、十分な矯正効果を得られないことがあります。その場合、ワイヤー矯正や外科矯正が必要になるかもしれません。

発音に影響を与えることがある

マウスピース矯正を始めたばかりの頃は、マウスピースの装着によって発音が不明瞭になることがあります。特に、サ行やタ行が発音しづらくなることがあり、慣れるまでには数日から数週間ほどかかります。

紛失や破損のリスクがある

装置の取り外しができるメリットがある反面、紛失や破損のリスクもあります。食事中に外したマウスピースを誤って捨てたり、高温の場所に放置して変形したりするケースも少なくありません。

紛失や破損によって新しいマウスピースが必要になった場合、追加費用が発生することもあります。

叢生を治療するマウスピース矯正以外の方法

叢生をワイヤー矯正で治療するイメージ

叢生の治療には、マウスピース矯正以外にもさまざまな選択肢があります。患者さまの歯並びや希望に合った治療法を選ぶことが大切です。

ここでは、代表的な矯正方法を紹介します。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、長年にわたって行われている一般的な矯正治療のひとつです。金属製のブラケットを歯の表面に装着し、ワイヤーを通して歯を動かしていきます。矯正力が強いため、軽度から重度の叢生まで幅広く対応できるのが特徴です。

最近では、目立ちにくい白色や透明のブラケット、歯の裏側に装置を装着する舌側矯正など、審美性を考慮した方法も選べるようになっています。見た目が気になる方でも、治療を継続しやすい選択肢が増えています。

床矯正

成長段階にある子どもの場合、顎の成長を利用して歯並びを整える床矯正(しょうきょうせい)が用いられることがあります。取り外し可能な装置を使用し、顎を広げることで歯がきれいに並ぶスペースを確保します。

将来的な抜歯を避けられる可能性があることがメリットでしょう。

ただし、効果的な治療には成長期の適切なタイミングで開始することが重要です。早めに歯科医師に相談しましょう。

大人の場合は顎の骨の成長が完了しているため、十分に歯列を拡大できないこともあります。

外科矯正

顎の位置に大きなズレがある場合や、通常の矯正だけでは歯並びの改善が難しい場合には、外科矯正が必要になることもあります。外科手術によって顎の骨を適切な位置に移動させた後、矯正装置で歯並びを整えます。

まとめ

マウスピース矯正で叢生を治療し笑顔の親子

叢生の治療には、マウスピース矯正のほかにもワイヤー矯正や床矯正、外科矯正などさまざまな方法があります。治療法ごとに特徴やメリット・デメリットが異なるため、ご自身の歯並びの状態やライフスタイルに合った方法を選ぶことが大切です。

叢生の治療を検討されている方は、千葉県野田市にある歯医者「R歯科・矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

当院は、インプラント治療やマウスピース矯正(インビザライン)、小児歯科、ホワイトニングなど、さまざまな治療に力を入れています。ホームページはこちらWeb診療予約 も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。